千葉県公立高校入試、来春からマークシートやデジタル採点を導入!

2023.07.20 Thursday

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    こんばんは。

    夕方に千葉県教育委員会より、令和6年度からの出題方針および改善策が公表されました。

     

    タイトルにもある通り、大きな変更点として、マークシートとデジタル採点を導入することが決まりました。

    これは、今春の入試における採点ミス問題を受けて、県教委が改善検討会議を発足、6月の有識者会議による改善案の提言を受けて、それらを踏まえた改善策を正式に決定した形です。

     

     

    決定した改善策は以下の通り(県教委HPより抜粋)-----------------

     

    【改善策1】学力検査問題の解答方法は、短答を含む記述式(以下、記述式という。)とマークシート式の併用型とする。

    【改善策2】記述式部分の採点は、デジタル採点システムにより、別の採点者がそれぞれ採点を行った後、結果を突き合せて確認を行う。

    【改善策3】合否のボーダーライン付近の答案点検を実施する。

    【改善策4】採点・点検を行うための臨時休業日を追加で設定できるようにする。

    【改善策5】採点・点検は、原則として全ての学校において同一の方法で行う。

     

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    出題の方針については、改善策からもわかる通り、昨年までと同様に「記号選択問題」と「記述問題」(用語等の短答含む)となっています。

     

    試験問題そのものに大きな変更はなく、マークシート導入により自動採点となるため、この部分での採点ミスは撲滅でき、さらに高校教員の採点による負担は軽減されます。ただ、受験生は念のためマークミスに対するケアなどの対策を講じる必要があります。

     

    また、デジタル採点については、画面上にスキャンニングされた解答用紙を「人(教員)」が解読して正誤の判定を行います。同じ問題を2系統で行い突き合わせるので、採点ミスは大きく減ると考えられますが、受験生はこれまで以上に「ていねいに」かつ「鮮明な字で」回答する努力をする必要はあるでしょう。

     

     

    県教委は、8月中旬以降に解答用紙のサンプルを公表する予定とのことなので、どのような形式になるかは事前に判明します。それを踏まえて、各方面への影響についてですが、

     

    まず、私立高校の作問について、各校で夏頃から本格的に作問を開始していきます。

    これまで公立入試に準じた試験問題を用意していた高校は、この変更に合わせてマークシートを導入するなどの変更があるかもしれません。

    遅くても秋の入試説明会では説明があると思いますので、受験を検討している高校ごとに確認していきましょう。

     

     

    次に、受験生が練習で受験する「Sもぎ」や「Vもぎ」といった模擬試験については、早急な対応は難しいと考えられます。

    これは、各社が作成する出題計画に基づき、早々に作問しているためで、私の認識では年内(12月)もしくは最終号(1月)の試験に間に合わせられるかどうか、というところだと思います。

    模擬試験各社からも、作問や出題形式に関する告知があるかと思いますので、そちらも併せて注視していただければと思います。

     

     

    マークシートの場合、マークシート特有のミスが発生することがあります。

    たとえば、

    1、「エ」を塗ったはずなのに「ウ」を塗っていた

    2、塗りつぶしが薄くて読み取ってもらえなかった

    3、迷った問題を飛ばして次の問題を解いたときに、マークが1問ずつずれた

      (これが最も悲惨なパターン)

    などです。

     

     

    こうならないように、練習の機会を設けるのですが、模擬試験でマークシートの練習が難しいとなると、受験生の頼りどころは、「以前からマークシート式を採用している私立高校」の入試問題になります。

    特に、受験生が多い高校ではマークシートを採用していることが多いので、そのような高校の過去問題等でマークの練習をすると良いかもしれません。

    ちなみに、県内の上位私立高校を併願受験する場合は、芝浦柏、専大松戸、日大習志野など多くの学校でマークシート形式になっていますので、受験する私立高校の過去問題集でコツをつかんでおくといいでしょう。

     

     

    これまで、方針の変更等がある場合、十分な告知期間と準備期間をとってきた千葉県としては、珍しくスピード感を持って改善されることになりました。

    私は良いことだと思いますが、「聞いてないよ!」と思う受験生もいると思います。

    ですが、出題方針が大きく変更になる(マークのみとか記述だけとか)訳ではないので、まずは冷静に受け止めて、各々ができる準備・対策をしていけばよいでしょう。

     

    いずれにしても、採点が正当かつ公正、そして正確に実施され、円滑に運営されることが一番です。受験生のための前向きな改革として受け止めたいと思います。

     

     

     

    以下、関連リンク

    令和6年度千葉県公立高等学校入学者選抜における学力検査の実施教科及び出題方針について(県教委)

    https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r6/0719houshin.html

     

    令和6年度千葉県公立高等学校入学者選抜の改善策について(県教委)

    https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/nyuushi/koukou/r6/r60719kaizensaku.html

     

    相次いだ採点ミス受け 千葉県教委が公立高校入試の改善策を公表(チバテレビ)

    https://nordot.app/1054320578286289402?c=428427385053398113